日本各地で作られるうどんの中で伝統的な讃岐うどんの作り方とは
うどんと言っても、日本の各地域で作られるうどんは、すべてが同じ作り方ではありません。
稲庭うどんのような作り方もあり、平たいひもかわうどんもあり、伊勢うどんのような柔らかいうどん、硬い吉田うどん、五島うどんのように手延べうどんもあります。
これから記述するのは、讃岐うどんの作り方です。昔から讃岐地方で伝えられたうどんは地域に根差して行事のあるごとにふるまわれ、多くの人たちによて守られ伝えられた伝統的なうどん作りです。
讃岐の地域にあったうどん作り
昔、弘法大師が唐から技術を持ち帰ったとあり、そこからうどん作りが始まったとされています。
讃岐地方は本州の中国山地と四国の四国山地に挟まれた地形なので雨があまり降りません。そのため、ため池も多く作られていますが米作より、小麦の栽培の方が適した地形になっています。
また、香川県は瀬戸内海に面しているので出用のいりこが多くとれます。塩田も作られ、小豆島では醤油も作られてうどんに適した材料がそろいます。

うどんは塩、水、小麦粉の材料で作られます
うどんは小麦粉、水と塩で作られています。この材料を一つ一つ見てみましょう。
小麦粉について
小麦粉はタンパク量によって薄力粉、中力粉と強力粉に分けられます。薄力粉はグルテン量が少ないので、てんぷらに向き、また強力粉はパンやラーメンに向いています。
うどんはその薄力粉と強力粉の中間である中力粉が、うどんに適した弾力があるので用いられています。これはあくまでも一般的な考え方で薄力粉でも中力粉でも作れないことはありません。
次に灰分ですが、小麦の中心部である胚乳のみで作られた小麦粉は白くてのど越しの良いうどんを作るのに適しているとされています。
灰分の多い少ないで小麦粉の等級が分かれます。灰分が少ないほど白くて甘みのあるうどんができるのですが、残念ながら、ミネラルはそぎ落とされてしまいます。
今や、製粉技術も進化して、水車で製粉していたものが機械化が進み、胚乳の中心部のみを取り出して、白い小麦粉が作られるようになりました。
うどん作りにとって大事なのは、グルテン量であり、灰分であるように思われますが、私はでんぷんが、一番影響を受けるものだと思っています。
お米でいえば、パサパサのご飯もあり、お餅を作るようなもち米があります。私も、すべての小麦粉を試してみたものではありませんが、低アミロースの小麦粉でうどんを作ると粘弾性のあるもちもち感を感じました。低アミロースの小麦粉がもちもち感を与えるものだと私は確信しています。
塩について
何故、そば打ちには塩が必要でないのに、うどん作りに塩が必要なのか。蕎麦粉にはグルテンというものがありません。ところが小麦粉にはグルテンが含まれています。このグルテンを強くするために塩がもちいられます。
暑いときはダレを防ぐために用います。讃岐地方では「土三寒六常五杯」という言葉が伝えられ、夏には塩分濃度を高く、冬には低くするとうどん作りがやりやすくなります。
また、塩を入れることで麺を茹でるときに、麺から塩が抜け出して茹で時間が短縮されます。そして、防腐のためにもつかわれます。
塩でも天然のにがりで作られた塩がいいと思います。私は粗塩を用いています。
水について
水にはアルカリと酸性があり、その中間が水道水 のPH7になります。PH7以上のアルカリ性に傾くと麺のコシが強くなります。ですから水道水で十分だと思います。
道具について
道具は凝りだすときりがありません。私は使えればいいという考えが強く道具のこだわりは、そんなにありません。道具は打つ量によって変わってきます。小麦粉200gぐらいだったら麺棒、包丁、まな板も家庭用で大丈夫です。
ところが作る量が多くなると麺棒も長くなり、包丁も家庭用では切りにくくなります。包丁では専門の麺切り包丁が使いやすいです。小間板は麺切り包丁で切るときの左手で添える板ですがなくても切れます。
小麦粉が400g以上になると小さなボールで混ぜるのは大変です。専用のこね鉢もありますが、私はタライを使用しています。
また生地を伸ばすときも机ぐらいののし台が必要ですし、まな板も大きなもので、麺棒も長いものが必要です。これら専用の道具は売っていますが、まな板は長さ横90cm、縦30cmのヒノキ材で可能です。
麺棒も直径3㎝、長さ90cmの丸棒がホームセンターで売っています。秤はデジタル秤で2kgまで計れる方がいいと思います。
ビニールシートあるいはビニール袋は足で生地を踏むときに必要です。足で踏んでも破れないものを選びます。小麦粉を篩う篩は2,30cmぐらいの大きい方が使用しやすいです。
どうして長いうどんが作れるのか
最初、私はどうして細長いうどんが作れるのだろうかと不思議に思い、そんなことを考えて作り出しました。作ってみると簡単ですが、初めてだと難しく思うのでしょう。
蕎麦はうどんよりも繋ぐのが難しく、うどんはグルテンがあるので繋ぎやすいです。まずはうどんを自分で作ってみることです。
材料は小麦粉ですが、小麦粉は粉であり、どうしても水のようなものを入れて繋ぐ必要があります。小麦粉の塩水を入れてかき混ぜ、塩水をたくさん入れると指にくっつきドロドロ状態ではお好み焼きとか、たこ焼きになります(笑)。逆に少ないと繋がらず粉の状態が残っています。
粉全体に塩水を行き渡らせれば、おからのような状態になり、ビニール袋に入れて足で踏みます。足で踏むのは手ですると力がいるからです。100gゃ200g程度の小麦粉で作るのなら手で出来ます。はじめは失敗しても大丈夫なように100g程度で作るのがいいと思います。
足で踏んだり手でもんだりしてグルテンを形成させ、そぼろ状から一つの球になり弾力性が出てきます。できた一つの球を寝かせるという作業に入ります。熟成と言われますが、時間を置くことで、より弾力性が出てきて、押すと返す力が生まれます。
2時間ぐらい寝かせて足で踏むと、柔らかさを感じます。あんなに硬かった玉が、こんなに柔らかく弾力性がでるなんてと感じるでしょう。
その次に、麺棒で伸ばしてうどんの厚さにするのですが、伸ばしやすいように玉の状態から、足で踏んで平たいお好み焼きのような状態にします。
麺棒で伸ばす作業ですが、この時に必要なのが打ち粉というものです。玉の生地と麺棒や包丁にくっつかないよう打ち粉を振ります。打ち粉は小麦粉でもできますが時間が経つとくっついて切るので片栗粉、コーンスターチ、米粉などがいいと思います。
麺棒に生地を巻き付けて伸ばし四隅を作って四角の状態にします。丸い状態だと短いうどんや長いうどんができるので、なるべく均等な長さのうどんにするためです。
うどんの太さになったら、包丁で切ります。うどんの幅を意識して切っていき、後はうどんを沸騰したお湯でゆでれば、長いうどんの出来上がりです。
私が考える自然に寄り添った手打ちうどん作り
メルロ=ポンティーによれば、盲目の人が杖を突いて歩くというのは、あたかも杖が手であるかのように感じて、また、自動車の運転でも車幅がわかりにくいのですが、慣れると車が自分の体のように感じて細い道でも走れるようになります。
自動車の運転で慣れない間はモノと自分との間に隔たりがあるように思えます。私はこの感覚を間隔感ということにします。そして、慣れてまるで車が自分の体のように感じる時を融合感というようにします。
うどん作りでも道具と自分との間隔感や融合感、自分と塩水と小麦粉との間隔感や融合感、自然に寄り添いながら自分の感覚をもとに間隔感から融合感へと移行していくうどん作りを考えています。
基本的なうどん作り
最初は小麦粉の量を多くして作るより、1人前か2人前を作って工程を覚えて、道具の使用になれるのがいいでしょう。
うどんを初めて作るなら工程を覚えておいしいうどんを作りましょう( https://hanasato.xyz/うどんづくりは簡単/ )を見ていただければ、簡単なうどんの作り方がわかると思います。
小麦粉からうどんを作るには、昔から伝えられたうどん作りの工程を覚えて作っていきましょう。
うどん作りの工程
小麦粉を塩水でこねます。これを水回しと言います。
全体に塩水が行き渡るとオカラ状になった生地を足で踏んで一つの塊にします。この工程が足踏みでグルテンが生まれて粘りが出てきます。
その後一つの丸い団子にして、2時間以上寝かします。
寝かした後、生地を丸い状態から麺棒を用いて生地を伸ばします。
うどんの厚さに伸ばした後は、包丁で切ります。
切った麵を沸騰したお湯に入れて約10分ぐらい茹でて水で洗って〆ます。
〆た後の麵は熱いお湯に入れて温かいうどんに、また、そのまま冷たいうどんを食してもおいしいです。
本格的に手打ちうどんを作ってみる
材料から考えてみます。一つは小麦粉です。うどんにとって最も必要な材料です。小麦粉にでんぷんなどを加えずに、中力粉を使用します。もちろん、それぞれ自分の好みに合った小麦粉を選択します。小麦粉1㎏だったら約8~10人前ができます。
スーパーなどでは中力粉が、ほとんど売られていないのでネットで選んで購入する方がいいと思います。ネットで売られている主な小麦粉を見てみますと・・・。
ネバリゴシ
あやひかり
チクゴイズミ
塩水を作ってみる
塩は粗塩を用います。粗塩はスーパーでも販売されています。
水回しについて
水回しとは小麦粉に塩水を少しずつ注いで小麦粉全体に行き渡らせてオカラ状にしていくことです。私の場合、混ぜる入れ物はタライを使用しています。

この工程をおろそかにすると生地が柔らかかったり、硬かったりします。塩水を生地から減らすことはできませんが、後から少し加えることはできます。

水回しの最初は塩水を半分ぐらい入れて指を離して熊手のようにして混ぜ、生地を救っては落として全体に塩水を行き渡らせます。徐々に塩水を加えてオカラ状になれば出来上がりです。といっても、これが判断の難しいところです。

小麦の色は、少し変化して黄色ぽっくなって、粉っぽいところがなくなって粒状になれば良しとしますが、これも人それぞれ感じ方が違います。
私の場合は粉状のところも少しあるところで止めています。経験を積みながら覚えていくしかありません。だからうどん作りは面白いのです。

足踏みについて


くくりについて

生地を踏み、最後は長方形の形をした生地だったら、それを半分に折って、丸いボールの生地にするため、長方形から四角にして生地を足で踏みます。ある程度伸びたら、次に生地の外側を内ら側に向かって曲げていき、空気を抜きながらボール状にします。
寝かしについて
寝かしとは発酵ではありません。熟成と言われます。足踏みで痛めつけた生地は固く、時間をおいて粘弾性を持たせます。足踏みされた生地は乾燥しないようにビニール袋の包んで寝かします。

さて寝かしの時間は?これもそれぞれ寝かす時間が違います。寝かさないで生地を伸ばそうとすると、かなり力が要ります。約2時間ほど寝かすと弾力性が出てきて麺棒で伸ばしやすくなります。時間を多くかければいいかというと腐敗に近づくので限度があります。
そして、寝かした後、再度足でボール状の生地を踏み丸い形にして麺棒で伸ばしやすい状態にします。
のしについて
生地を伸ばすには麺棒が必要です。だいたいで太さ3cm、長さが90cmくらいの麺棒があればいいと思います。ホームセンターで円柱のものを使用しても大丈夫です。
次に、のし台ですが テーブルでもいいし、大きな板であれば大丈夫です。
これらの道具と 生地がくっつかないように打ち粉が必要です。打ち粉は小麦粉でもできますが時間が経つとくっつきやすくなるので異種のコーンスターチ、片栗粉、米粉があればいいと思います。すぐに食す場合は小麦粉で大丈夫です。片栗粉は茹でるときにお湯の中にとろみが出るので、茹でる前に打ち粉をはたいて取ってください。
そして、生地を伸していくのですが、まず、生地全体に打ち粉をします。
丸い生地を四角にするために角出しという方法があります。丸い生地の一点を決めて麺棒に巻き付けて台に打ち付けるように転がし、180度回転させて反対側も同じように転がして打ち付けます。

次に90度回転させて生地を巻き付けて同じように伸ばします。そして、180度回転させて生地を麺棒に巻き付けて伸ばして四角の形にします。
生地の表裏を返して両面伸ばしていきます。

少しでも四角の形になるように麺棒を転がして微調整します。今度は4辺を一つずつ麺棒に巻き付けて伸ばしていきます。



うどんの幅は3mmぐらいとされるので、その幅になるまで伸ばします。また茹でると麺は若干太くなります。太い麺が好きな方や細麺が好きな方と人それぞれ違うので自分の思う太さになったら包丁で切りやすいように屏風のように折ります。その時打ち粉をまぶし生地同士がくっつかないようにします。

包丁切り
包丁切りにはまな板と麺きり包丁が必要です。家庭用の包丁では生地の幅が広いので一般の包丁では難しいです。

まな板はヒノキでは横幅70cmぐらいのがあれば代用できます。



作った手打ちうどんの茹で方
蕎麦の場合は1分ぐらい茹でれば茹で上がるのですがうどんの場合は8分から15分ぐらいはかかります。茹でる水の量は麺の約10倍以上必要です。麺が100gなら1リッター以上で茹でます。
そして、必ず沸騰した熱湯の時に挿入して、再沸騰して面が浮き上がるまでの時間が早い方がいいと思います。その後は、火加減をして吹きこぼれないよう麺が対流するようにします。
茹で時間は釜揚げ、釜玉なら茹で上がりを見て早い目に上げます。茹でた後、水で〆る場合は約10分から12分茹でます。
麺の太さ、柔らかさ、固さなど、それぞれなので10分から15分茹でて、一番わかりやすいのは麺を一本取って水で冷たくしてから食せばうどんの出来上がりがわかります。目で見て判断は、なかなか難しいです。タイマーで計って、いつもどれくらいで茹で上がるか経験して感じます。
茹で上がった麺を水で〆ます
釜玉、釜揚げなどの釜から上げて食す場合以外は水で〆ます。茹でた後のぬめりを流水で取ります。何回か洗って水が好き取ってきたら、最後に冷水で〆ます。どれくらいの冷水がいいのかと言われると難しく、私の場合は12度前後です。