讃岐うどんとは
製麺類の表示に関して「公正競争規約および公正競争規約施行規則」では定義されています。香川県内で製造されていること。手打ち、または手打式(風)のもの。加水量が小麦粉に対して40%以上のもの。食塩が小麦粉に対して3%以上のもの。熟成時間は2時間以上。茹で時間15分までで充分にアルファ化していること。
香川で製造しなければ讃岐うどんとは違うと思われるのですが、讃岐うどんと名乗っても言いそうです。ただし、「本場」、「名物」、「特産」などと名乗ることはできません。
定義は定義として、私が思う讃岐うどんは、足で踏むということが頭にインプットされています。教えられた時に「足踏み禁止令」というのが保健所から出て、機械化を進められるも自分たちは足踏みを守ってきたということを言われて、それが自分たちの讃岐うどんづくりだと考えさせられたのです。
私が考える讃岐うどんとは
もう50年前に大学時代の友人に会いに香川へ行くと善通寺市のうどん屋に食べに生かされて、その時セルフでやらされたような(笑)・・・。友人に聞きながら教えてもらい食したことがあります。また、うどん屋さんが、私の友人をよく知っていたというのにも驚きでした。友人の家は店から近くだったけれども、田舎は付き合いというものがあるんだなと・・・。
うどんは、ごくシンプルでうどん玉を温めて汁につけてたべる釜揚げうどんのようなものでした。湯だめうどんかなと思うのですが忘れました。なんせ50年前ですから(笑)。私の店で鴨汁うどんを提供していますが、ザルに乗せて冷たいうどんです。それと丼にうどんを入れてお湯を注ぎ湯だめにして、鴨汁湯だめうどんというのもしています。
塩分濃度は3%以上と言われますが、健康を考えると塩分を入れなくても讃岐うどんではないのかなと思います。まあ、私も、そう言って塩分濃度は高いほうかもわかりません。茹で上がりは、塩分が抜けるのでさほど塩味は感じません。
もちろん「讃岐うどん」とは讃岐地方で食された文化なので、私は全面に「讃岐うどん」と出す気はありません。言われれば、小麦粉を煎ってからうどんにしますが、作り方はそうですと言っています。
私が保育士時代に2001年香川県の坂出で全国男性保育者研究交流集会というのがあり、そこで讃岐うどんづくりの実践を学び、保育園に帰っても子どもたちと保育でうどんづくりをしていました。教えていただいたところへは、何回も食べに行き、出汁づくりでわからないところを教えていただいたこともあります。
私は店の息子さんに教えていただいて、お父さんとは話をする機械がなかったのですが、2020年頃お話させていただきました。やはり、うどん屋というポリシーを持っておられて、今ままでやってきたという、経験の重みを感じさせられました。
美味しいうどんを作るには
美味しいうどんとは、個々人違うのですが弾力性があるのと、もちもちした食感、なめらかな喉越し、かすかな小麦の香り、うどんの甘さなどが考えられます。
うどんの甘さを求めると
うどんの甘さは小麦の中心である胚乳部のみを小麦粉にすれば甘さが表出します。砂糖でも黒糖より白砂糖が甘くなります。香りを求めれば小麦の表皮も含めれば、少しは感じます。ということは甘さを求めれば胚乳部、香りを求めれば表皮を含むものになります。
また、ミネラルや健康を求めれば全粒粉のような外皮を含んだ小麦を使用します。製粉技術が進歩し、胚乳部のみを選別して作られた小麦粉は白く甘みのある小麦粉になります。
粒度の大きさ
粒度で考えると全粒粉は大きく、全粒粉を含めば含むほど滑らかさはなくなり、喉越しが悪くなります。全粒粉のみで作るとうどんがちぎれて繋がりにくくなるのが欠点です。食物繊維が多く、ミネラルが豊富なので健康という面で価値があります。
グルテンについて
うどんがつながるのはグルテンがあるからで、グルテンは2つのタンパク質からなり、グリアジンとグルテニンです。薄力粉はタンパク量が少なく、強力粉は多くなります。うどんは中間の中力粉が適していると言われています。
小麦粉に多い成分はデンプン
うどんの硬さや伸びはタンパク質が関わっていると思います。小麦粉に多く含まれているのはデンプンです。うどんづくりはタンパク量に重きを置く傾向がありますがデンプンが美味しさを左右しているのかもわかりません。
うどんにデンプンのタピオカ粉を混ぜると美味しくなるとか言われます。冷凍うどんにはよく使われているようです。お米で言えばもち米は伸びがあり、もちもちした食感になります。小麦粉も低アミロースの小麦粉を使うとモチモチ感を感じます。
うどんとは美味しさを求めるか、健康的なものを求めるかで違ってきます。