小麦粉からうどんの味を考える
うどんは小麦粉と塩水からできています。うどんを作るのに小麦粉の中力粉を使用し、小麦粉によって味も変わってきます。水車で製粉された頃からうどんは作られ、伝統食の一つです。
薄力粉 中力粉 強力粉
小麦粉はたんぱく量によって薄力粉、中力粉、強力粉に分かれます。たんぱく量が少ないのが薄力粉、多いのは強力粉になり、中間が中力粉です。
薄力粉は天ぷらに向いていて、パンやラーメンは強力粉、中力粉はうどんに向いているとされています。
天ぷらをするときに、水を小麦粉に入れたとき、あまり混ぜない方がいいとされます。それはグルテンができるからです。またパンやラーメンは捏ねて生地を作ります。
うどんは、もちろんグルテンが必要ですが、中間が適していると言われます。現在は中力粉ですが、私は強力粉を使用していた時もあります。いろんな小麦粉を試してみて美味しいと思った小麦粉が一番ということだと思います。
灰分が小麦粉の甘味を引き出す
小麦粉の中心部である胚乳のみを機械製粉で取り出すと灰分が小さい小麦粉になります。中心部の胚乳は白くて甘いのです。製粉技術が進化することによってうどんもおいしくなります。白くて甘みのあるうどんは胚乳のみで作られるからです。
全粒粉は外側の表皮も含まれるので色はくすんだ色になり甘みは薄らぎます。でも小麦の味は全粒粉の方があると思います。また、表皮が加えられるので食物繊維とミネラル分が豊富です。つまり、白い小麦粉は、食物繊維とミネラル分が、ほとんど削りとられてしまったものです。健康的なうどんを考えると表皮も加わった小麦粉を使用し、美味しさを追求すれば白い小麦粉を使うのがいいと考えます。
うどんの太さでも味が変わる
例えば、夏によく食べる冷や麦は喉越し良くおいしいです。冷や麦は細くできていてツルツルッと食べれます。うどんも細いほうが喉越し良く食べれると感じます。うどんは噛んだりするので、かすかな甘さや舌触りを感じながら食べます。
冷たいうどんは引き締まっていて喉越しよく食べれますが、温かいうどんは、柔らかくてモチモチ感が出ます。釜玉、釜揚げは温かいうどんの代表みたいなものですが柔らかくモチモチッとした食感はなんとも言えません。また、温かいので鼻からも風味を感じ取ることができます。
うどんづくりに塩の量はどうか
うどんづくりには塩を入れないで作る方法もありますが、塩は欠かせません。一般に、夏は塩を多く入れて、冬は少なくします。塩を入れると引き締まり、夏の暑いときは生地がだれるので多めに塩を入れます。
塩も5%ぐらいだと、さほど変わりませんが、12%以上入れると塩の味が茹でたあとも残ります。少し塩味がついている方が美味しいと思うか、塩を少なくするほど小麦の味がかすかに感じるので少ないほうが美味しいと思うかは好みによるのかなと感じます。
低アミロースの小麦粉
小麦粉はタンパク質、灰分が気になりますが、小麦粉の一番多いのはデンプンです。お米で例えるともち米はもちもちとして美味しいです。もち米はアミロースよりもアミロペクチンが多いのでもちもちとした食感が得られます。これが、低アミロースのもち米の特徴です。
うどんも低アミロースの小麦粉で作るとモチモチッとした感じになります。デンプンもうどんの美味しさに繋がります。ましてや一番含有量の多いのがデンプンですから美味しさに影響すると感じます。
手打ちうどんと機械打ち
昔は機械がなく手打ちでうどんを作るしかありませんでした。現在では機械も進化して手打ちと変わらないうどんが作れるようになりました。しかもきれいな揃ったうどんが出来上がります。
繁盛店にもなれば手打ちでは無理で機械を使わないと回らない時代になりました。手打ちで作るのは、かなりの重労働です。機械をこなせれば美味しいうどんを、つくり手が変わっても同じうどんが作れます。手打ちうどんはつくり手が変わると違ったうどんが出来上がります。
機械打ちも手打ちも、うどんの美味しさを求めています。どちらがいいかはお客さん次第で、また作りての考え次第かもわかりません。