田舎暮らしでうどん屋

田舎暮らしでうどん屋をしてみました

簡単に決めて田舎でうどん屋なんて、今から思えばよく思い切ったものです。55歳で田舎暮らしでうどん屋を決心。人生どうなるか?明日はどこ吹く風・・・。考えてこれなんですから。後悔しているのかと問われると、もちろん後悔もあるけれど、それより今生きているのが不思議(笑)。身の程知らずのうどん屋でした。もう70歳を過ぎるとまな板に乗ったコイという心境か・・・。よくぞ、ここまで生きてきました。

田舎でうどん屋

保育士からうどん屋へ転職

私は大阪生まれの60歳まで大阪育ち、55歳から大阪と滋賀県の高島市へ行き来してうどん屋を始めました。それまでは保育士で25年勤めていました。保育士は、もうやり切ったというか、最後は他の保育園を探そうという気もありませんでした。やめた時に埼玉へ、保育士をやめたと報告に行くと、「あんた北海道の保育園に行き!」と強く進められましたが・・・。もう全くその気にならず、保育士という仕事にピリオドを打っていました。

年金もらえるまでうどん屋をできるのか

その時、だいたい考えたのは年金をもらうまでうどん屋で繋げたらという55歳から10年間の見通しでした。なんとか10年やれればいいという気持ちでした。・・・気が付けば15年の歳月が過ぎて年齢も70歳を超えました。まあ、よう生きてきたなぁ・・・。

貯蓄をしていてもお金はどんどん出ていくばかり・・・。65歳になれば年金がもらえるだろうと65歳まで節約をしながら生活をしていましたが、そんな簡単なものではありません。うどん屋をしていても完全な赤字です(笑)。

やっともらえる年金額を見て顔青ざめる

65歳になって年金額を見ると・・・。冗談やろ(泣)。こんな金額で一か月持たないよ・・・。72歳以上なら何とかなりそうと計算し希望を見出しました(笑)。

ということで年金が少ないために繰り下げをしています。物価は上がるし、税金も取られるし、繰り下げしてもしきれまへんわ。まあ、この歳になればお金貯めても仕方がないし、なんとか生きていければいいと考えています。

田舎暮らしとうどん屋で楽しく時間を過ごそう

うどん屋をしているとお客さんとの対応があり、いいこともあれば、聞きたくないこともあります。いつも来てくださるお客さんと話をすることで、うどん屋を続けてよかったなあと、つくづく思うことがあります。田舎で静かに暮らし、たまにお客さんと世間話をしているときが楽しい時間ですね。

高島市でうどん屋を始めるために改装

一戸建ての元は板金屋さんのところを購入してうどん店をするために内装をやり変えていただきました。カウンターを作り、電球は長い電球で、そのままでいいというのに丸い電球になり、床はコンクリートのままでいいというのにフローリングされて美しくなり、まるでスナックのような気分でした。

私は気取らない、そのままの雰囲気でさぬきうどん店のような感じにしたかったのですが、出来上がりは、えっ、これがうどん屋かあと・・・。まあ、私も仕事があって見に行けなかったために任せていたので仕方がなかったと思っています。

田舎のうどん屋へ客は来るのか

市場調査というのがありますが・・・。友人から市場調査みたいなことしたんかと言われ、えっ、そんなんしてるかいな・・・。喜楽やのう。一回、昼何人通るか見てみよかと・・・。昼の11時から13時まで表の通りを見ていましたが誰も通りまへん。バス通り、おっ、バス通りやないか。田舎のメインストリートや。・・・バスに乗っている人は運転手だけ。良かったなあ。運転手一人は通った。エッ、これって通ったんか。素通りの人やないかいな。あ〜あぁ、猫一匹通らんわと言っていると、ニャーオ猫が通過!。笑うしかないわ。

田舎でうどん屋するには駐車場が問題やった

改装しているときに工務店の人に聞けば、ここらやったら道路わきに止めてもなんも言われませんわと・・・。そんなことはない。駐車場がネックやった。

2008年5月3日に開店して、その日に駐車場の問題が出てきた。どこか駐車場を借りれるところを探すしかありません。たった1日うどん屋を開店して閉めました(笑)。探せど、探せどありません。大阪から来たもんやさかいに知り合いもすくなく、途方に暮れて月日がたちました。10月にやっと駐車場を貸してくれるところが見つかりましたが、店から3分歩いたところで見えないところです。駐車場の場所を説明しなあかんし、そんな遠い見えへんところへ誰が置きに行くんや・・・。とにかく10月13日金曜日にうどん屋を開店しました。

駐車場代も高く、これは考えないと年金もらうまで、お金が持たんわぁ。私は釣りが好きで、また釣り好きな工務店の人としゃべれる機会があり、駐車場の悩みを打ち明けました。すると店を狭めて駐車場にすれば3台は置けるぞと・・・。5年間うどん屋をすれば駐車場代の元がとれると思い、店の前を広くして三台分の駐車場ができました。

お客さんの車は「うどんの花里」の駐車場に私の車は・・・

私の車を置く駐車場は歩いて20分ぐらいの駅付近を借りました。毎回駐車場へ自分の車を置きに行くのが大変で、また雪が降ると駐車場の白線が埋もれて雪かきをしなければ車が置けません。

店の右端に軽自動車なら置けそうや

私の店の前の端に少しのスペースがあり、普通車は大きすぎてはみ出し、軽自動車なら何とか止めれるということがわかって、車を軽自動車に変えました。どうせなら車中泊に便利な車にしよう。楽しみを考えながら、駐車場も、なんとか問題を解決しました。

店を考えるなら駐車場をどうするか絶対条件です。えっ、わかってるって・・・。私はのんきやったなぁ・・・。

誰も来ない田舎のうどん屋(笑)

別に駐車場なんていらんやん。お客さん来ないもん。人通り少ないところでうどん屋するかぁ・・・。ネットやな。これからネット時代到来や。わからんとブログに挑戦してみたり、ホームページを作ってみたり・・・。ネットでも見てくださる方は1日10人ぐらいか・・・。こりゃ駄目だ(笑)。それでも続けるしかないか。

田舎のうどん屋にお客さんが来てもらえるには

最近よく聞くのはインスタグラムとかいうものでフォロアーを増やすのがいいと・・。言われてもわからんので、このブログしかしてまへん。店をするならフォロアーというのを増やしてからすればいいかも・・・。また、ここでしかできないものを考えるといいとか・・・。こんなん言われても、今からどうせえと・・・。期待は薄いと思います。田舎のうどん屋やからか、それともうどんの味が美味しくないからか。疑心暗鬼におちいるじゃん。

でも確実に駐車場が多くないと難しいですね。うどんの花里のように三台しか置けないようではイベントもできまへんわ。いいように解釈すれば一人で店をやっていけるというのが利点ですね。いくら回転しても儲かる仕組みにはなっていまへんわ(笑)。

暇だからうどん作りを試せる田舎のうどん屋(笑)

うどん屋とうどん打ち体験をする

いやーあ、客来ないから、やれることをする。毎日100gの小麦粉を使ってうどんづくりのやり方を考えました。小麦粉を変えたり、ブレンドしたり・・・。薄力粉から中力粉、強力粉と試しに作りました。そして全粒粉やセモリナ小麦粉も作りました。ときには黒米をブレンドしたりしました。この黒米うどんを作ったときにわかったことがあります。表面が茹でると凹凸になりました。それでも喉越しはよく、美味しいのです。この美味しさはグルテンでなくでんぷん質かなと・・・。

私は、このことを科学的に理解することは無理ですが、経験したということで自信を持つように感じたのです。私が得る知識は科学的なものもありますが経験して得る知識が宝かなと思いました。お客さんが来ないときは、色々とうどんづくりを試しました。田舎でうどん屋をして、たしかに客は来ないけどうどんを試す時間は獲得できました(笑)。

自然知を元に融合感と間隔感

メルローポンテイーの現象学で目が見えない人が、あたかも見えるように杖が自分の手の一部のように感じて歩く。あるいは、自動車の運転で細い道を行く時、車幅が気になり、最初離れないのですが、経験して慣れてくると、あたかも車体が自分の体の一部のように思えるように感じます。

私はこのことを自分なりに考え、自然というものを知る。あるいは感じるということは大切だと思っています。経験をして、最初は自然に対して間隔を感じるのですが経験することによって慣れてくると間隔が狭まる感じを覚え自然と自分とが融合したかのように感じるときがあります。

うどんづくりで言えば加水率の決め方です。だいたい小麦粉の50%と言われていますがボーメ計で測って塩が多いと加水率は多くなります。季節によっても異なりますし、結局は自分の目で見て、また手のひらで触って判断することになります。水分が多くても、少なくても扱いにくくなります。また、うどんの美味しさも変わってきます。

小麦粉に水分が加われば粉から粒になり、色も白色から黄色っぽくなります。経験しながら自然を知り、うどんづくりの参考にしていきます。つくり手によっても、お客さんによっても美味しさの感じ方は人それぞれ違います。結局、答えはありませんが融合するところを探しています。考える時間が有り余る~。これも暇すぎる時間のなせる業です(笑)。

目と手を協応させて包丁でうどん切り

うどん屋に客が来ないなら生活費を節約することや

客が来ないということは早く店を閉めたほうが得策ちゃう・・・。光熱費が浮く。特にプロパンは値段が高いです。いつも閉めたら店はあるのかないのかわからない。開けておくことも宣伝のためには必要かな。

土日にお客さんが多いので土日をメインにして平日は休みにしよう。光熱費を考えてそのほうがいいと思いました。ほんま、どんなうどん屋や(笑)。今更、他の仕事をしたくないし続けるしかありません。年金が支給される期間まで節約を考えるしかないです。儲からないのだから節約や。これが長くうどん屋をする条件だと・・・。

田舎暮らしで節約

大阪のときは車の必要がなかったから自転車があれば、後は電車バスで移動できます。田舎に来て車社会というのを実感しました。ちょっと買い物に行くのでも車に乗っていきます。ガソリン代がかかるのと車検代、自動車税、自動車保険などでお金がなくなります。自動車関連で、かなりかかります。

大阪では、すぐに出かけて、用もないのに買い物に行き、お金を使ってしまいます。家に同じ本が二冊あったり、ハサミが3つ、ホッチギスも3個、文具品が多く、家にいても電気を使い、テレビ、パソコンのつけっぱなし・・・。

節約も楽しいもんです

私は収入が少ないので、田舎暮らしをしていると節約しなければ生きていけません(笑)。節約を考えてやりだすと面白くなるのも事実でした。今月は電気、ガス代が減ったとか、食費も余計なものを買わずに腐らすこともなく冷蔵庫の中を見る習慣がつきました。買い物もメモをして、必要なものしか買わないようにしています。

しかし、どうしても節約には限度があります(笑)。寒いとき、暑いときは光熱費が突出します。今はネット社会で、ついついネットで注文して送料を無料にするため、多めに買って送料を安くしたりしてしまいます。まあ、年齢を重ねれば、後僅かな命と感じます。楽しく田舎暮らしをするのが一番で、無理な田舎暮らしではなんのために田舎に住んでいるのかわかりません。

田舎暮らしで生活習慣を考えるようになる

田舎で暮らして日々思うことは都会暮らしとの違いです。・・・というか仕事が優先だったので、早く起きて、遅くまで仕事をするというのが日課でした。毎日眠たくて、少しの時間があれば横になって休憩をしていました。かと言って祝日、日曜など仕事が休みの時は出かけてしまうという感じでした。体を休めるということがありません。

睡眠不足になるとストレスがたまるようです。自分ではわからなかったのですが、やはり、ストレスがあったようです。これ以上仕事を続けると体を悪くするとわかったので、自営業のうどん屋を始めました。これはいい選択だったかも・・・。もう無理をしない働き方を自分で考えてしています。

睡眠時間を考えて生活習慣を整える

当初は、金土日の営業で初めて、次に夜も営業しました。でも夜はうどん屋をしていると寝るのが遅くなるのでやめました。その次に考えたのは水、木、金、土、日と昼の3時まで営業しました。現在は木金土日の午前11時半から午後2時までにしました。この理由はセキセイインコを飼っているので放鳥時間を確保するために午後3時を2時までにしました。

セキセイインコとともに田舎暮らし

自然に沿えば人も生き物も生活習慣が大切

セキセイインコも生活習慣を乱すと発情をしたりして病気になるそうです。生き物は生活習慣が大切なのではないかと思いました。また大腸がん検査で陽性になってしまって、生活習慣を整えなければいけないと運動をして睡眠を十分とることを目標にしました。

今では田舎暮らしをして15年になります。最初は55歳で大阪から高島にやってきて70歳になりました。ここまで生きると、もうあとわずかの命と思い、楽しくストレスを作らずに自分らしく生きようと考えています。

15年過ぎた田舎暮らし

田舎暮らしは大変だ。地域の人たちからどう思われているのか気になります。大阪からやってきて、しかもこの田舎でうどん屋をするんですから変わり者と思われているのでしょう。当時0歳の子どもだったら15歳の中学生。小学校の子どもだったら成人になっているんですから・・。年月は過ぎて人の心も変わります。

田舎になじんできたのかな・・・

店の前で出会うと挨拶をしたり、声をかけてくださったりするので、だんだんと親しみを感じている自分があるんだと思えるようになりました。最初はどうなるかと不安でしたが、今ではいろんな方との出会いを感じるようになりました。

冬は雪かき、夏は草むしりなどして日常を過ごすことで、人と人も心が通じるのかなと思っています。都会では味わえないものが田舎にはあるようです。それは1年や2年ではわからない。10年あるいは、それ以上住んでいると感じるものがあります。

田舎のうどん屋にツバメの巣

日常の過ごし方が田舎暮らしを豊かにすると感じる

店にツバメが巣を作り、私はカラス対策をしていると、それを見てくれているようです。ツバメ巣立ちましたかとか、うちの巣はカラスにやられて、それでも、また作っていますとか・・・。日常の中で、もしかしてツバメの糞やらで不潔とか言われるかなと思えば、そうではなくてツバメが巣立つのを喜んでくださっているんだと感じました。

自然と関わる中での変化

健康でいるには運動、生活習慣、食事をおろそかにするわけにはいきません。当たり前のように日は昇り日は沈む。冬は寒く、夏は暑い。どうしても自然に関わらなければならなくなっています。

人間が作った農薬で害虫を駆除したり、食品も食品添加物で長時間保存できるようにもなりました。自然に対して暑いときはクーラーを使用して、寒いときは暖房器具に頼ります。人は自然に対して過ごしやすいように対処できるようになりました。しかし、その分自然が壊れたりします。

小麦粉も移り変わる

うどんは人の手から機械打ちがおおくなり、美味しいうどんがどこでも食せるようになりました。うどんの材料は小麦粉と塩水ですが、小麦の品種改良によって成育期間を短くしたり、背丈を伸ばしたり、小麦の収穫を多くして美味しい小麦が出来上がっています。いかにしておいしい小麦粉を生産するか、日々進められています。

香川県で生産されていたさぬきの夢2009はプツプツと千切れるのでタンパク質を多くして千切れないように改良して「さぬきの夢」として販売されています。

品種改良技術は続く

品種改良技術も「交配による品種改良」だったのに、これから「遺伝子操作による品種改良」が行われるそうです。ゲノム編集とか言われるもので、穂についた実から雨にぬれても発芽しないような品種改良を考えているそうです。「穂発芽」したものを小麦粉にしても品質が良くないので商品価値が下がります。

昔の水車から機械製粉へ

昔の小麦粉は水車で製粉したり、石臼で製粉していましたので胚乳以外も含まれて、色も茶色がかった小麦粉でした。実は、そのほうがミネラル分が豊富で、食物繊維も含まれていました。現在は機械で胚乳のみを取り出して白い小麦粉になりました。甘みがあり美味しいのですが風味、栄養分が削り取られてしまいました。

農薬もドローンで

農薬散布も機械化されつつあります。農業関係の大学ではドローンの操縦を学ぶとかパンフレットで見たことがあります。安価で安く楽な方法を考えるようです。実際、農薬散布を見たのはラジコンのヘリコプターで撒いているのは見たことがあります。なんか風向きを気にしてされていたような・・・。田舎でもドローンを使用することがありそうな気がします。

かといって古代小麦も

人工的な品種改良が、ほとんど行われていない小麦は古代小麦と言われるものです。厚い皮で昆虫や天候から守ってくれるので農薬も用いることなく栽培可能です。

ただ、今の小麦の半分の収穫量になるので生産する若者が育たないという現状でしょう。知り合いのご主人が古代小麦を作っていると奥さんから聞いてびっくりして、すごいな〜ぁと思いました。ところが生産性が低く後継者が難しいということです。儲からないよ・・・という話でした。

食は今を見つめるだけではだめですね。過去を知って現在の立ち位置を確かめてこれからを見据えないと・・・という思いになりました。

 

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