全粒粉と薄力粉 中力粉 強力粉の特徴について
全粒粉と薄力粉、中力粉、強力粉につてい記したいと思います。全粒粉も薄力粉、中力粉、強力粉も小麦からできています。小麦粉は薄力粉、中力粉、強力粉、全粒粉と別れます。
タンパク量によって使われる料理が異なる
全粒粉はミネラル分を多く含み、食物繊維も多くなります。全粒粉は栄養面で優れているのに薄力粉、中力粉、強力粉の方が料理でいろいろ使われています。栄養という面で優れているとしても、美味しさ、甘さ、のど越しを求めるために薄力粉、中力粉、強力粉が使われている感じです。
薄力粉の特徴
薄力粉は胚乳の中心部のみを使用して甘みがあります。タンパク量は小麦粉の中で少ない部類です。ですから、天ぷらに向いています。
中力粉の特徴
中力粉は薄力粉よりたんぱく量は多く、強力粉より少ない小麦粉です。中力粉はうどんに向いていると言われています。
強力粉の特徴
強力粉はたんぱく量が多くてパンを作るのに向いています。
全粒粉の特徴
全粒粉は小麦の表皮も混じるので薄力粉、中力粉、強力粉と異なり、小麦粉に比べてたんぱく量が少なくなります。
全粒粉は小麦粉であり、良さを引き出すことも料理には大切なことではないでしょうか。ここではうどんに使用することが多い中力粉と全粒粉を考えてみたいと思います。
たんぱく量からうどんを考える
うどんを作る材料は小麦粉、塩と水です。小麦粉はタンパク質、デンプン、脂質、ミネラルなどから出来ています。タンパク量は薄力粉が少なく、強力粉が多くなります。このタンパク質の中にグリアジンとグルテニンが80%ぐらい含まれています。
生地を足で踏んでグルテンを形成します
中力粉に塩水を加えて混ぜ合わせて足で踏んだりして生地を作りますが、足で踏むことによって粘りや弾力性が生まれます。これがグルテンの働きです。うどんが長く繋がっているのも、喉越しがいいのも、もちもちしているのもグルテンがあるからこそです。うどんづくりにはグルテンが必要です。
生地づくりの時に生地を折り曲げて足で踏み、グルテンを網目状にしているのです。縦横、折り曲げたり重ねたりして規則正しく網目状にして生地が出来上がります。この生地を、すぐに麺棒で伸ばそうとしても、なかなか伸びません。元に戻ろうとする力が働き縮みます。これもグルテンの仕業です。
寝かしは必要か
このグルテンも寝かすことによって作業がしやすくなります。時間をかけて寝かせることで生地に弾力が生まれます。もちろん、長ければいいものではありません。長くおいていると腐敗していきます(笑)。寝かしの時間も考えなければなりません。夏場は特にそうです。あまり置いておくとだらけてしまい、包丁で切った後、持ち上げるとダラ~ンとしてしまいます。
生地を伸ばして包丁で切る
生地を伸ばして包丁で切って茹でるとうどんになります。喉越し良くて美味しいのはグルテンやデンプンも加わってのことだと私は感じています。包丁で切り、うどんの幅や厚さによって湯で時間も微妙に変わってきます。喉越し良く感じる細うどんがいいのか、もちもちとした太いうどんがいいのか、つくり手で決まってきます。
うどんの喉越しはどこで決まるのか
以前、私は黒米を粒粒にしてうどんを作って、黒米うどんを提供していたときがあります。その時の黒米うどんは表面が凸凹でした。それでも喉越し良く美味しかったです。また、あまり打ち粉を使いすぎると、やはり、打ち粉が残って表面が凸凹になります。でも美味しいです。表面が凸凹でもソフトだからか喉越しが悪くなるという感じではありません。
しかし、全粒粉を加えると、表皮があるからか、喉越しが悪くなります。二割ぐらい全粒粉を加えるとザラッとした感じがわかります。またそれ以上全粒粉を加えていくと喉越しの悪さを感じます。これは私の経験ですが・・・。全粒粉でうどんがつながるのは6割ぐらいまでで、全粒粉100%にすれば、うどんが繋がらずに切れてしまったりします。茹でた後水洗いしていると短いうどんになります。グルテンが少ないからそうなるのでしょう。全粒粉100%するなら表皮などを細かく砕かないと難しいのではないでしょうか。小麦の表皮に近づくと喉越しは悪く感じます。
ミネラル分と食物繊維がある全粒粉
全粒粉は表皮も加わっているので食物繊維が豊富です。またミネラルもあります。健康面ではいいのですが、何故かうどんづくりに使用されません。表皮が加わるのでグルテンが少なくうどんが繋がりにくいという欠点があります。
また全粒粉は丸のまま表皮を加えた小麦を使うのですから、農薬も心配です。私は無農薬のものを使用しています。最近は小麦粉も美味しいのが出回り、どこのうどん屋さんも美味しいうどんを提供されています。健康面を考えて、少しでも全粒粉を混ぜたうどんを作るというのもありだと思います。