乳幼児の発達

地球誕生から進化した生き物たち

地球は45億年前に誕生しました。しばらくしてから、初期生命が出現して30数億年という年月をかけて、多くの生き物が生まれては進化してきました。

地球が海だった頃には魚類が泳ぎ、エラ呼吸をしながら背骨をくねらせて泳いでいたのでしょう。生物は海中から発生して魚類、両生類から哺乳類へと進化してきました。

そして、今、私がここに生きています。すべての子孫は、たった一つの原始生命体であるということが、生物の遺伝情報をつかさどるDNAやRNAからわかってきました。

人とチンパンジーのDNAの塩基配列を比較すれば約1.2%の違いしかありません。チンパンジーから人へと別れたのは500万年前くらいだそうです。地球ができて45億年からすれば、ごく最近だと言えます。

魚類から人類の二足歩行まで

魚類が移動するのには体をくねらせて尾びれを使っていました。体をくねらせるには背骨が大事だということがわかります。やがて、シーラカンスやイモリなどが陸へと向かおうとします。イモリなどの両生類は足の形をしていますが体をくねらせてハイハイの形で移動します。哺乳類になると、よつばいで進み、人は二足歩行で移動します。

乳児の移動の仕方

乳児は産まれて、すぐには歩けません。首が座り、寝返りをしてハイハイ、次によつばい、やがて、つかまり立ち、そして、歩き出します。まるで生物の進化をたどるように、体をくねらせてハイハイをして、よつばい、つかまり立ち、二足歩行で移動します。

乳児期に背骨をくねらせてハイハイを十分しているか

最近の乳児は歩く時期が、早くなってきています。また、ハイハイをせずに座位を獲得して、つかまり立ちから伝い歩き、そして、二足歩行を1歳前に獲得しています。

この頃の乳児において、歩くのは早いのですが、魚類、両生類、爬虫類のような体をくねらせて進むハイハイは苦手なようです。体をくねらせて進むということは背骨の運動にもなります。背骨は大切なもので体を支えている部分です。

すぐにお座りをしていないか

ハイハイからよつばいをして、歩くという発達の順序を考えると、最近は、ハイハイをあまりせずに、お座りをする子が多くなってきた感じを受けます。

体をくねらせて背骨を丈夫にしたい時期に、直ぐ、お座りをするので、座っても前のめりになってしまう子がいます。腰や背骨に負担をかけてしまっているのではないでしょうか。また、座った姿勢になって、ずっと、そのまま座れずに座位を維持するしかなく、泣いてしまう子もいます。

つまり、背骨がしっかりしていないため、自分で座れないのです。また、座った状態からハイハイに移ることができないのです。まるでハイハイを飛ばして歩くことを獲得してしまっているのではないでしょうか。座位の獲得とはハイハイから座って、座った状態からハイハイへ移れるようになって座位の獲得と言えます。

生物の進化から乳児の発達を考える

生き物たちは地球の重力にしたがって生きています。魚類は水中で泳ぎながら重力に対抗して泳いでいます。爬虫類たちは地上で重力を受けて這い這いで移動するようになりました。やがて、馬、ライオンのように四つ這いで重力に対抗して移動します。人は二足歩行で重力に対抗して体を移動し、手が自由になり、道具を用いることを獲得しました。

新生児は重力を受けて、寝かされて抱きかかえられる時は、首が座っていないので頭を支えられて重力に従っています。やがて、寝返りしながら、這い這いを獲得して重力に対抗する力を獲得します。そして、四つ這いから、つかまり立ち、二足歩行へと発達しました。

これらの過去からの生き物が獲得した順序を、人は乳児期の約一年で獲得しているような気がします。

乳児が地球の重力に対抗する二足歩行の力を獲得するには魚類、両生類、爬虫類、ほ乳類、人類と辿ってきた道筋と同じような発達の順序で獲得しています。重力によって、二足歩行を獲得するためには急に立つことは難しく、寝た状態からハイハイをして移動し、重力に対抗する筋力をつけて、四つ這いへ、次への飛躍で二足歩行を獲得したのでしょう。

生後3ヶ月ごろまでの新生児から乳児

産まれて間もないときは目を見つめていると、次の日には変化を感じると思います。目を開けるにしても薄っすらと開けていたのが、次の日はちょっとしっかり見るようになったとか感じるのではないでしょうか。

 

続きは次回に

投稿者: okakio

25年間保育士としてこ育園に勤務し、2008年から高島市で「うどんの花里」を開業いたしました。

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